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2017年8月14日月曜日

第22回奈良大学国語教育研究会報告(1)

 奈良大学を卒業し、教員になった人たちの研究会…ということになっているのですが、この研究会は、幅広くいろいろな人たちが集まってくれる研究会です。大学の国文学科の先生、学生さん、他学科の卒業生、教員以外の卒業生も集まってくれます。今回も幅広く参加者が集まってくれました。
《日時・場所》
       2017812日(土)13:00
       奈良大学 本部棟4階 会議室
《内   容》
       開会のあいさつ   会長 岡部 秀樹
 
       記念講演
        「平安文学作品の享受をめぐって」 
           奈良大学文学部 国文学科
             松本 大  先生
       実践報告
        「進学コース奮闘記(三代目)」
           大阪商業大学付属高等学校
      山田 恭子  さん
 ワークショップ
「アクティブ・ラーニング~学びの改革とは~」
滋賀県立守山高等学校
西田 哲成 さん
 
 
 
《メモと感想》
 
松本先生の記念講演
享受とは、作品を読んだり、訳したり、注釈したり、作品をモチーフにして二次創作をすることまでも含めた、作品と関わった活動すべてをいうのだそうです。その作品が現在まで残っているということは、何らかの享受が存在するということ。
各時代の注釈書を調べていくと、さまざまなことがわかる。私たちは例えば教科書に出てくる『伊勢物語』は、125段の本文と209首の歌が厳然と存在しているように思っているけれど、注釈書を調べていくと、「125段・209首」とは言い切れないということ。読み手が本文を補ったり改訂したりすることが平安時代には当たり前に行われている(作品の制作と享受が連続)。現代に生きる私たちは、作者と読者は独立して存在しているようにイメージしている。教室でも当たり前のように「成立はいついつ」と話しているが、どんどん手を加えられている以上、「成立」がとてもあいまいなものになっていくというお話しでした。
山田さんの教育実践発表
 学校名やコース名、指導者名も明らかにしてしまったので、詳細を書くことがはばかられます。しかし、報告者を含めて、このコースにかかわっている先生方はとても早朝から遅くまで熱心に、時間や手間を惜しまず、生徒たちと向き合っていることがよくわかりました。
 山田さん、ご自分の時間も大切にしてくださいね。
 なお、タイトルにある三代目とは、このコースの三期生という意味だそうです。
 
 西田さんのワークショップ
 この研究会でも、アクティブ・ラーニングについて取り上げたいと1年前から考えていました。西田さんにお願いしたら、勤務校でやってきたことをベースにしての話ならしてもいいよと引き受けてくださいました。
 ここ数年のワークショップでは、スケッチブックを使って参加者が一言は発言するというルールで来ましたが、今回もスケッチブックがツールとして登場しました。
 アクティブ・ラーニング。お題目通りに実践しようと思うと、なかなかに難しい。教室の生徒があってのものですから、それぞれの現場で事情も違う。準備にどれだけ時間を費やせるかということもあるでしょうし、評価をどうするかということも悩ましい。
ただ、国語科は比較的ハードルが低いかもしれないとも思いましたし、教室や生徒あってのアクティブ・ラーニングであることを考えれば、一番に考えることは、目の前の生徒たちのためにどんなプランが立てられるかをしっかり考えることであると、西田さんの話を聞いて思いました。怖がったり、面倒くさがったりしていてはいけませんね。
 
(hill)
 
 
 
 
 

 




 
 
 
 

 
 
 
 
 

 


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