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2018年8月26日日曜日

第23回奈良大学国語教育研究会報告(1)

  奈良大学を卒業し、教員になった人たちの研究会…ということになっているのですが、この研究会は、幅広くいろいろな人たちが集まってくれる研究会です。大学の国文学科の先生、学生さん、教員以外の卒業生も集まってくれます。その幅の広さが、この研究会の強みだと感じています。

《日時 2018811日(土)13:0017:00

《場所 奈良大学 本部棟4階 会議室》

《内容》

 記念講演
   「 近松浄瑠璃の修辞 」 
      奈良大学文学部 国文学科 柏原 卓 先生

 実践報告
   「 通信制で学ぶこと 」
     長尾谷高校なんば分校  樋口  翼 さん

 ワークショップ
   「 モンスターティーチャー ~いい先生、悪い先生~ 」
      クリエイト印刷、白蓮会館奈良学園前支部
                      尾形恭明 さん

《メモと感想》

□記念講演「近松浄瑠璃の修辞」
 柏原先生から、『曽根崎心中』の本文を取り上げて、一語ずつ修辞について解説していただきました。たとえていえば、複雑に組み上げられた機械をひとつずつばらして見せてもらうような感覚です。『曽根崎心中』のテキストがこんなに複雑に修辞がなされているということは知りませんでした。現代人は当然、解説付きでないと理解できないのですが、当時の人々も解説してもらって納得できる人や、何度も聞いて少しずつ修辞を理解していく人もいただろうなという想像をしながら、柏原先生のお話を聞きました。

□教育実践交流「通信制で学ぶこと」
 学生さんも、私たち教員も、もちろん大学の先生方も通信制高校の仕組みをほとんど知りません。まるで学校説明会に参加したような様子です。
通信制で学ぶ生徒の割合が、これからまだ大きくなってくるものと思います。学習の仕組みがまったく違い、スクーリングは1コマ完結でなければなりません。今回のスクーリングの参加者が次回のスクーリングに参加するとは限りませんので、「じゃ、今日はここまで。続きは次回に」はありません。1コマで完結させなければならない仕組みは、全日制や定時制の先生にもおおいに役立つものと思います。今回、通信制からの提案をしていただけたことで、この研究会の柱がまた少し太くなったような気持ちでいます。

□ワークショップ「モンスターティーチャー」
 モンスターペアレンツなんて言葉は広く知られています。しかし、一方で保護者の側から、学校からの理不尽な要求というものを感じられているということがあるとしたら… 
考えさせられるワークショップでした。とてもスリリングな、でも現実味のある話題でした。みなさんの意見を聞きながら、トラブルが起こったときは、まず、正確な情報を確認するというステップを飛ばしてはいけない、そして、顧問や担任から保護者へ、日頃から風通しをよくしておくことの大切さを思いました。生徒(児童)に、ワリを食わせることがあってはいけません。

 

hill

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