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2014年2月27日木曜日

大和な雛まつり

 大和郡山市で「大和な雛まつり」というイベントが行われています。

 大雑把な言い方をすれば、街中のあちらこちらのお店のショーウィンドーに雛人形を飾って、桃の節句の雰囲気を演出しましょうという取り組みでしょうか。今年で3回目だというのですが、私は今年初めて知りました。
  たまたま一番初めに見たのが市役所横の菊屋さん。和菓子を買いに行ったら、あの古い店舗に何段もあるような豪華な雛人形が置いてありました。御殿雛といって、屋形がついているのが関西風だそうです。
  もう少し見てやろうと今日、郡山の町を少し歩いてみました。菊屋さんのようなフルコース的な雛人形ばかりではなく、ガラスケースに入った小ぶりなものもありましたし、2体だけの
ものもありました。食品関係のお店では温蔵庫の上にちょこんと置いてあるのも見かけました。
  中には、手紙のような文章を添えた雛人形もありました。「娘のために母が雛人形を届けてくれました。私にはお母さんと呼べる人がいるだけで幸せです。」というようなことが書かれていました。この手紙を書いた人の娘、そしてお母さん、つまり親子三代がこの手紙の中に登場するわけですね。後ろの文にちょっとホロッとしてしまいました。
  「大和な雛まつり」は3月9日まで。100以上のお雛様が見られるそうです。

(hill)

2014年2月25日火曜日

『星めぐりの旅人』出版記念パーティー

 『星めぐりの旅人 スペイン巡礼-800キロ歩き旅- 棚橋正人』
 スペインを約2ヶ月かけて横断。
 カトリック三大聖地の一つを目指して800キロの道のりを巡礼された先輩の紀行。



23日、盛大(?)なる出版記念パーティーに出席しました。身内だけの居酒屋パーティーです。
 本書より一部抜粋します。

それにしても昨夜のバスィーには参った!女性の眼をじっと見つめるなんて…そんな過去が自分の過去にあったかどうかさえ、定かでないのに!スペインの夜のレストランで演技指導をされるなど想定外の出来事だった!やっぱ旅は楽しいよなぁー!
若者たちよ!「事実は小説よりも奇なり!」
ゲームのバーチャルよりも現実の中で困難をクリアするほうが何倍も楽しい。若者よ!書を捨て!いや!PCとDSとipadを捨てて!今すぐ旅に出ようぜ!
〈5/25(金)オルニージョス・デル・カミーノ~カストロへリス(20キロ)より〉


 教師生活40年。最後まで現場にこだわった先輩のメッセージが……
 また本書には四国のお遍路、そしてスペインを巡礼されたご自身の思いも……

 棚橋先輩、出版おめでとうございます。
 浅田先生、滝川先生、ありがとうございます。
 岡部会長、ブログ記事の構成&編集作業、お疲れさまでした。
 諸先輩方、同輩&後輩の皆さん、心温まる素晴らしい会でしたね。
 ありがとうございました。


(831023 尾形恭明

2014年2月16日日曜日

北海道だより vol.17  松本周


①堂島プロジェクションマッピング
 お久しぶりです。関西では今年2回目の積雪で大変だと今朝のトップニュースになっています。お天気お姉さんが数㎝積もった雪に「滑りますから滑りにくい靴でお出かけください。」って言っていました。そうだったんだ、関西や関東では数㎝で交通機関にも影響がでるんだ。なんだか懐かしい気持ちになりました。
 それに前回もそうだったんですが、関西や関東で大雪の時こちらは晴天の穏やかなお天気なんです。ここ3日ほどは雪かきから解放されてホッとしています。
 蘭越に越してきて2回目の冬です。昨シーズンは一度もスキーに行けなくて残念な思いをしましたが、お正月に帰省してきた娘(まだ、気持ちの上では帰省ではなくて遊びに来たという感覚なんです)とスキーに行きました。3年ぶりです。ニセコアンヌプリスキー場、家から車で5分の至近距離。にもかかわらず、家の周りの雪かき、町の催し物やサークル活動のお手伝い、遊びに来てくれた友人と冬の北海道を走り回ったりで行けなかったのです。(冬はスキー三昧の日々のはずだったのでは?)
 久しぶりに滑ったわが連れ合い、「やっぱり楽しいね。新しいスキーを買ってしょっちゅう来なくっちゃ。」と俄然遊び心に火を付けた次第。2日後札幌へ出掛けた出た時に、すかさずスポーツ用品店へ直行スキー板と靴を2人ともゲット。残念ながらカバーをしたまま玄関にあります。
 さて遊び人のじじぃはじっとしておれない困った性格。今年も行ってきました「さっぽろ雪まつり」。
こんなじじぃにつるつる滑るアイスバーンの峠道を3時間近く走らせたものは、「プロジェクションマッピング」なんです。去年は吹雪の中をわざわざ行ったのに、見物客が多すぎてあまりにも危険だと初日で中止。おかげで見逃しました。今年は見物会場を広げ、マッピングの数も上映回数も警備員も増やして安全対策を強化したとのこと。
 行ってみれば、マッピングの行われる雪像の周りはバリケードで囲ってあり、一方通行にしたり、邪魔になるくらい大勢の警備員でがっちりガード。
「通路では立ち止まらないで」「写真を撮るのは見物場所から」「終わったら速やかに次の人と入れ替って」と喧しいこと。まあ、おかげで3つのマッピング全てを見ることができました。寒さも忘れ2回も観てしまいました。
 そもそも2010年、奈良遷都1300年際のイベントとして奈良博物館で行われたプロジェクションマッピングを観てからハマっちゃったんです。因みに、昨年12月23日には、大阪の堂島公会堂のマッピングを観に行きました。
②氷と光のファンタジー。幻想的な世界です。
 第1回さっぽろ雪まつりが行われたのは1950年、なんと僕が生まれた年なんです。まだ敗戦色が濃く、食料などの生活物資が不足している時代、暗いムードを払拭しようと雪まつりが誕生したんだとか。その時は、大通公園西7丁目に市内の中学、高校生による雪像6基が作られたとのこと。
③JRAのプロジェクションマッピングです。なかなか迫力がありました。
④本当に車が走っているように見えます。
⑤寒いステージでゴスペル隊のリハーサル。あまりに長いので本番は見ず。
⑥いよいよスタートです。
 今回、第64回では198基の雪像が作られ、三丁目会場には高さ24m、全長60m、最大斜度39°の巨大ジャンプ台が出現。スノーボードやフリースタイルスキーが行われていました。
⑦美しいカラーに引き込まれます。
⑧火の鳥が羽ばたいてます。
⑨ぞうさんが出ました。
⑩まるで金閣寺のよう。
 なんと、雪まつりで使う雪は5トントラックで約6500台分。1か月前から陸上自衛隊が2週間かけて滝野霊園、里塚霊園、サッポロさとらんど、モエレ沼公園、石狩湾新港工業団地などから運んで来たとのこと。
 1か月かけて作った雪像も、まつりが終わったら翌朝8時から重機でつぶして排雪場に捨てに行くんだとか。素人目には「勿体ない」と感じますが、崩落事故を防止するためなんだそうです。道民はスケールがデカくて潔いとつくづく思います。今回の観客は240万2000人、その経済効果は300億円近いんだそうですよ。海外からの観光客も年々増えているそうで、歩いていても、中国や東南アジアからの団体さんがいっぱいでした。
⑪見事な氷の彫刻です。
 歩きついでに、すすきので行われている「氷の祭典」にも立ち寄りました。60基ほどの氷像が並んでいました。使う氷1本の重さは約120㎏キログラム。トータルで1500本以上、重さにして180トン以上の氷を使うんだとか。ウィスキーの水割り120万杯分に相当するんだそうですよ。丸3日かけて、調理師さんなど総勢約200人が徹夜で作るんだそうです。作業は、-10℃以下に冷え込んだほうが捗るそうで、気温が上がるとドライアイスで氷を冷やしながら彫るそうです。いやはやすごいお祭りです。
 歩き疲れてお腹も減ったので、晩飯にしましょう。やっぱり「寒い→さっぽろ→ホットなもの」とくれば「スープカレー」ですよね。「いつ食べるの→今でしょ」(今日はカレーが苦手な連れ合いがいないから)というので、「SAMURAI・さくら店」というお店に行きました。狸小路近くのビルの2階なんですが、入り口は怪しげなドア1枚と小さな看板だけ。恐る恐る入ってみると、狭い階段が・・・。
(怪しげな雰囲気はネットの「食べログ 北海道」などでご覧あれ)なかなか美味しかったです。
⑫美味しかったです。キクラゲが入っていてビックリ。
 若い女性客が多く、風邪気味でティッシュ片手に「美味いんでないかい。」とガッツイテルじじぃをどう見ていたんでしょうね?
 かなりスパイシーだったので、「侍プリン」という近頃流行っているプリン屋さんで「侍プリン・プレミアム」をゲットして帰りました。これがまた濃厚でほっぺがヨロコンブでした。

2014年2月9日日曜日

しあわせ回廊 なら瑠璃絵


   なら瑠璃絵。8日の初日に行ってきました。まだ小雨が残る奈良公園。若草山はまだ雪で白い。
今年で5回目のなら瑠璃絵。もう今年はいいかと思っていたのですが、今年は発光ダイオードを60万個増やしたとニュースで言ってたので、よし見てやろうと路線変更。光り物のメイン会場、奈良県新公会堂へ行ってみました。


   公会堂の入り口では、毎年の「しあわせココア」に加えて、「あったかもんグランプリ」もやっていました。グランプリはこの日だけのようですが、寒さを逆手にとって観覧者の気持ちに入り込みますな。大賑わいです。公会堂のロビーでは県下市町村ごとの物産展。県全体で盛り上がろうぜと気合が入っています。
   さて光り物の庭。18時少し前に電源が入れられ、歓声が上がる。さすがに60万個の増強はたいしたものです。公会堂の庭一杯に敷き詰められています。その様子は(写真でしか見たことはないのですが)長島の「なばなの里」のようです。


   警備員が「足元に気をつけよ」「立ち止まらないでゆっくり進め」(そんなエラソーには言いませんよ)と連呼しますが、大混雑というほどでもなく、人の流れを邪魔しない場所なら立ち止まっての撮影も叱られません。
   今年が初めてだと思いますが、無料エリアと有料エリアの区別がされました。というのは、願いを書き込んだ花短冊(有料)を結び付けるところへは「冬七夕ロード」という、発光ダイオードの海の中の道を通っていくレイアウトになっているからです。タダ見の人は光の海を外側から見てね、お金のある人は海の中を歩いて短冊を結わえに言ってねという具合に差別化したのです。それも、このイベントの財政をしっかりしたものにするには当然の動きでしょう。私のような一人モンは腹も立ちません。



   発光ダイオードの海は公会堂東側の大きな庭園。そしてもうひとつ、北側の池のあるエリアもダイオードがいっぱい。こちらには光り物の鹿の親子がいて、結構人気のようです。そして海のない奈良県にイルカの光り物が数頭。近鉄東大阪線に乗って海遊館からやってきたのかな。


   公会堂の庭を一回りして、今度は公会堂の2階に上がってみました。ロビーとギャラリースペース。ここがなかなかいい絶景ポイントです。



   建物の中で暖かい。光の海をガラス越しに見下ろせる。おまけに、テーブルも椅子もある。なのに、これが宣伝不足か、人がほとんどいなくて静かです。私のような一人でカメラをぶら下げて来た者にはどうでもいいようなところですが、カップルが静かに楽しむにはいいところかも。ここからの俯瞰撮影もいいのですが、写真を撮るにはガラス面の写りこみに注意。それに屋内で暖かいので、レンズの曇りには注意が必要です。
   それから庭園に下りてもう一回り。



   私の横で楽しんでいた熟年の夫婦いわく、「なばなの里より、こっちのほうがずっといい」人々の会話の中で「なばなの里」という言葉を何度か聞きました。トータルして考えると、スケールの大きさ、派手さは「なばな」の勝ち。しかし、その分人も多く、有料でもある。静かに楽しむにはこちらのほうが上だということのようです。


   なら瑠璃絵は14日の金曜日まで。最終日は花火もあるそうです。
  「しあわせ回廊 なら瑠璃絵」のパンフを眺める。次のように書かれています。



「しあわせ回廊なら瑠璃絵」は、早春の2月に奈良を代表する三社寺(春日大社、興福寺、東大寺)を幻想的な「光の回廊」でつなぎ、美しく神秘的に瑠璃絵の世界に皆様を誘います。それぞれの社寺で手を合わせて頂くことでしあわせが訪れ、そして小さな祈りの数々が大きな平和の祈りとなって世界に届くようにと願いを込めて開催されます。

   あらぁ。結局石清水八幡宮に参らずに満足して帰ってしまった「仁和寺にある法師」のような、いやいや、手も合わせていないのだから法師よりもずっとずっと劣る私でした。


(hill)

2014年2月2日日曜日

初心者の能・狂言

 またまた恥ずかしい話。初めて能、狂言を観ました。興福寺の薪能とかの屋外で上演されたものをチラ見した経験はあるのですが、じっくりと腰を据えて、ましてそれなりの代価を払ってみたのはきっとこの年になって初めてのはず。これから、なーんも知らん私の体験を書きます。

 1月18日(土)大阪、上町の大槻能楽堂。第23回能楽若手研究会大阪公演。大槻能楽堂なんてものがあることすら知りませんでした。
  土曜日なのに電車は満杯。制服の高校生が多い。センター入試を受ける人たちでしょう。車内では前日にプリントアウトした今日の演目、3曲の情報に目を通します。現代語での解説は初心者の心強い味方です。大槻能楽堂は難波宮跡公園のすぐ南側。地下鉄の谷四からも谷六からも同じくらいの距離でした。
 11時から若手能メンバーによる事前講座。その講座での印象的な話題は、能はわからないものだから安心しなさいということでした。素養が必要なこと、さらに、具体的なもの(大道具だとか書割だとか)が何もないのだから自分なりの風景を想像して頭の中に描きなさいとのこと。音楽を楽しむように、絵画を楽しむように観てほしいとのアドバイスでした。ちょっと安心。
 ところで、この能楽堂の客席は横幅が狭い。私の右も左も男性、背中を背もたれに任せることができず、膝の上で腕をクロス気味にしての観劇となりました。

 
 13時開演。客席は満杯。中には和服姿の女性も見られて優雅な客席の装いです。一曲目は「羽衣」。三保の松原で漁師に衣を返してもらった天人が月へ帰るというあの話。しかしまぁこのリズム。催眠効果があるような。ゆったりとして、私のようなそそっかしい者には合わないなぁと思っているうちに、少しだけ意識が途切れました。
 考えてみると、演目が始まる前に1ベルも2ベルもありません。緞帳もなく客電も落ちません。ざわめく客席にお囃子が聞こえてきてのスタートです。
  続いて、狂言「蝸牛」。これはまだ言葉が理解できます。客席からも笑いが何度も出て、ちょっと安心。曲名は「かぎゅう」。しかし俳優のセリフでは、「かたつむり」さらに、山伏は「でんでんむし」と言います。柳田国男になった気分でした。
  「蝸牛」の後は20分の休憩。客席から動く元気もなく座席で過ごします。このシートピッチは昭和50年前後の建築かと推測しましたが、実際は昭和58年の杮落しらしい。
   地謡、囃子方や後見は、自分の出番でないときは、掌を袴の中に入れるということは気づきました。
   最後は「邯鄲」。「一炊の夢」ですね。ここで初心者には疑問が生まれます。夢の中で登場する大臣も舞人も、いでたちが和風ではないかと思うことです。設定は中国のはず。わかりません。(>∩<;)w 

   それにしても、邯鄲の宿の女主人役は曲の初めと終わりが出番。中ほどの何十分間は橋懸で正面を向いて、正座しまんじりともしない。演技よりも忍耐が求められる役に見えました。客席が狭いくらいで文句を言っていてはバチが当たりますね。
  「邯鄲」では、能のリズムに慣れてきたのか、一度も意識不明に陥りませんでした。そりゃそうですよね。眠るのは盧生なんですから。


 
(hill)