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2014年8月11日月曜日

順延

 通り道で見かける自治会の掲示板。ちょっと気になるなぁと思っていたことがひとつ。夏祭りの案内ポスターなのですが、写真のような場合、順延という表現は成り立つのだろうかという疑問です。

 2日雨天中止のときは3日に順延

 この場合、「順延」という表現は不要ではないか。延期でもいいし、もっと踏み込めば実施でも意味は通る。そのほうがはっきりする。順々に延期してくのが「順延」であるはずだから、今日が駄目なら明日、明日も駄目ならその翌日…という場合に「順延」を使うわけでしょう。2日が駄目なら3日に実施します、その後は実施しませんというのは「順延」ではないのではないかと思います。


 ところが、意外なところで「順延」の文字を見つけました。朝日新聞では、夏の高校野球が雨により、開会式とその日に行う試合を2日後に行うことに、「順延」を使っていました。
 Webでたどってみますと、朝日新聞デジタルでは、
第96回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高野連主催)の開会式が、台風11号の影響で9日から11日に順延され…
と記されています。開会式を天候の都合で2日後に延期することを、順延といってよいのだろうか。
 毎日新聞社の高校野球サイトでは、
台風11号接近の影響で開会式と1回戦3試合が2日後の11日に延期された。(中略)開会式の順延は…
と、朝日新聞同様に、2日後に延期する開会式を順延と表現しています。
 スポーツ報知のWebサイトでは、
第96回全国高校野球選手権は9日、台風11号の接近に伴う悪天候のため、予定された開会式と1回戦3試合が順延となった。
と、順延されるのは開会式と1回戦3試合だとしています。
 デイリースポーツオンラインは、少し様子が違って、見出しに
甲子園開幕、台風のため史上初2日順延 
と、書いています。しかし本文では「延期」「延び」るという表現はあるものの、「順延」は使っていません。


 「順延」ってどういう意味なのでしょう。日本国語大辞典をよっこいしょと開いてみると、
【順延】順次に予定の期日を延ばすこと。日をおって延期すること。
とあります。「順次に」とか、「日をおって」という部分がミソだと思われます。すると、高校野球全体の開始が当初の予定より2日遅れて、それぞれの試合の予定も2日ずつ「順次に」後ろに移動したなら順延かも知れませんが、上のように「開会式」が、あるいは、「開会式と1回戦3試合」が2日後に延期になるのは、「順延」という表現は辛いと思うのです。私の感覚が変ですか?みなさん、どう思われますか?


(hill)

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