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2016年4月2日土曜日

春日大社 国語科教員の研修(3)



 20年に一度という式年造替のさなかの春日大社。いわばお家の新築。本殿の造り替えということだそうです。
 今回は宮司さんが案内をしてくださるという、大変ありがたい時間でした。
 社務所の前からお話しは始まります。
 みんながよく知っている阿倍仲麻呂の歌。
天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも
 この歌はこの場所をイメージして詠まれたという説明。この場所から東を見上げると、三笠山(標高283m)は見えるけれど、その背後にある春日山(標高497m)は三笠山にさえぎられて見えないというわけです。だから、「三笠の山に出でし月」。これがもっと西側に立てば、空と接するのは春日山ですから、「春日の山に出でし月」になってしまうというのですね。なるほど。では、なぜ、社務所のあるあたりなのか。遣唐使は出立に先立ち、春日山付近で航海の安全を願ったというのですね。なぁるほど。
 ほかにも東の回廊と南の回廊が接するところは、とても高度な建築技術を用いてある。なぜなら、春日大社のある場所は傾斜地であり、平地のように簡単ではないということを、回廊を実際に見ながら説明を受けると、ほぅなるほどと思ってしまいます。少し時間がたてばほとんど忘れてしまうのに。また、初めて足を踏み入れたのは、御蓋山遥拝所と呼ばれる、本殿の東側、塀の外。御蓋山の山頂から西に伸びる尾根線上に鳥居が設置されている、今はやりのことばでいえばパワースポットだそうです。宮司は、「私がつくった」とおっしゃってました。御本殿の前にあるのが、中門、その左右が御廊(おろう)というそうです。中門の奥に、御本殿。中門から御本殿に渡るのに小さな、ほんとうにまたいでしまえそうな小さな橋があって、雲居の橋というそうです。それは、人間の世界から神々の世界へ渡す橋で、この橋を渡れるのは、つまり御本殿へ行けるのは、宮司とか皇族に限られるとかいう話を、その橋の前で聞いている私たち。藤浪之屋は北の回廊の一部、鏡張りになって暗くしてあり、昼間でも万灯篭の雰囲気を味わえるようになっています。造替の間は内侍殿を移殿として、春日の神さんがこちらに仮住まいをしてらっしゃるところです。
  そして、最後は、正式参拝です。正式参拝って何でしょう。よくわからないまま直会殿で宮司の指導のもと?参拝をしました。そして、お神酒をいただいて終了です。
 よく知っているつもりの春日大社。でも、実は知らないことだらけで、友達が来たら連れていってあげるくらいはできる程度しか知らなかったと気づきました。
  帰りに気づいたら、宝物殿が工事中でした。耐震補強工事のついでに、宝物殿周辺も生まれ変わるのだそうです。スイーツのお店も入るとか。楽しみです。
 研修にでかけることは大切ですね。

(hill)

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