(3) 業平橋
嫁取橋から西へ西へ。安堵町を通ってJR関西本線を越えます。どこを走っているのだか、私にはよくわかりません。業平道というものがあるそうなのですが、東西をスムーズに結ぶ道が見当たらないのです。とりあえず、およそ西の方を向いてバイクを走らせます。在原神社の案内によれば、安堵町を通らずに、もっと北の国道25号線あたりを通れということなのですが、その指示よりはずいぶん南側を通って、斑鳩町高安にたどり着きました。もう河内か?そうではなく、大和にも高安という地名があるのです。ある新聞記事によると、この集落はもともと、富の小川村といったのが、業平が河内の高安へ通った際に立ち寄ったので高安と呼ばれるようになったのだそうです。色男の業平に連れ去られないように、村の娘たちは顔に炭を塗ったのだとか。
ところがその集落にある、富雄川にかかる橋の名前が業平橋というのだから面白いものです。橋は何代目なのでしょう、コンクリートの橋脚です。クルマは通れません。バイクでよかった。橋を渡りました。川面を見下ろすと、鯉や亀が泳いでいてのんびりした雰囲気。すぐ近くには、法隆寺国際高校があります。この学校では、「あの橋が業平の…」なんて国語の授業で教えているのだろうか。さらに、この橋の南側にかかっている、自動車も通れる立派な橋は、新業平橋という名前です。業平さんはしっかり定着しているようです。
幸前(こうぜん)というところで、国道25号の北側に渡り、法隆寺方面に走ります。高浜虚子も投宿したという由緒ある旅館、大黒屋の前を通って、法隆寺も通過。
つづく
(hill)
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