(7) 業平になりきられん!
天理市櫟本町の在原神社から、奈良盆地を横切って生駒山系を越え、八尾市までやってきました。実際に歩いたのは近鉄生駒線の竜田川駅から、同じく近鉄の志貴線服部川駅まででした。デジカメの記録を確認すると、
竜田川駅を出発したのが9時30分ごろ
十三峠に到着したのが11時20分ごろ
八尾市神立の集落に入ったのが12時20分ごろ
服部川駅に着いたのが13時ごろです。
奈良盆地の天理・平群間を抜きにしても、山を越えて河内の女に逢うまでに約3時間。私の場合は、あっちで寄り道、こっちでシャッターとロスタイムが多いですから、仮に半分としても片道1時間半。うーん、好き好んで河内まで行かなくても、親に財力がある、魅力ある女性なんて大和盆地の中にいくらでもいるのではないかと思ってしまいます。私は業平にはなりきれないなぁというのが歩いての感想です。
そしてもうひとつ。伊勢物語は歌物語です。歌のほうが先にあって、それらしいお話が後から作られた。だから、「筒井筒」のストーリーそのものが実際にあった話と考えないほうがよろしい。いわば作り話に従って「現場」を歩いてみたところで、それは実在しない現場です。
むしろ、実在しないお話を後世の人たちがずっと「温めてきた」ことを思わなければならないと思います。このストーリーのどんなところが魅力だったのだろう。私には残念ながら…まだまだ考え続けないと。
(hill)
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