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2016年11月27日日曜日

吉城園



  世の中のほとんどの人は、紅葉を愛でるためにだけ日々生活をしているわけではありませんから、一番きれいな時に眺められるというのは相当の偶然が重なっているはずです。紅葉の具合だけでなく、天気も紅葉の美しさを左右するはず。今年は、紅葉のころになって曇りや雨の日が多かったように思います。
おそらくこのブログの中でも紅葉では最多登場を果たしているであろう、奈良市の吉城園。依水園・寧楽美術館の隣にあります。訪問したのは26日でしたが、23日の早朝、仕事で近くに来たものですから、まだ開園前に外から覗いてみたのでした。やはり色がよくない。それに入り口近くの楓の葉を眺めると、1枚の葉の中に青いところと紅葉したところが混じっていて、この色のミックスが木全体を濁った色に見せているように思いました。

26日。バイクで吉城園まで走り、開園時刻を待っていました。入園料を払ってスタッフのお姉さんに、「今年の紅葉ももう一つですね」というと、意外にも帰ってきた言葉は、「そうではないのです。今年はちょうど綺麗な期間が短かったのです。でも、今は落ち葉がきれいですよ。」と教えてくれました。なるほど、紅葉が始まったころに冷え込むと、きれいな期間は短くなりますね。
さて、朝日が差し、少しずつ目覚めていく様子の吉城園。庭の手入れをするおじさんが、掃除機の反対の働き(ホースから空気を送り出す)をする機械で、通路の落ち葉を蹴散らしています。やはり何年か前に見た、これでもかというようなゴージャスな紅葉ではありません。ほとんど葉を落としてしまった木、葉がチリチリと枯れたような木、それにまだ青々としていて、いつになったら葉を落とすのだろうと思えるような木。

何度も何度もこの吉城園には入っているのに、今回初めて気づいたことがあります。それは、東大寺大仏殿の鴟尾が見えるところが、園内に2か所あるということ。もちろん、木々が葉を落とす冬場しか無理だと思いますが、これまで気づかなかったのはなぜでしょうね。

 私は開園2番目の入場者でしたが、後から後からどんどん入場者が入ってきて、もちろん、高桐院のようなことはありませんが、紅葉はともかくも人の入りは十分です。


 (hill)


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