711028 棚橋正人
7月8日(土) バーモンデ(Baamonde)
~ ミラズ(Miraz) 16㎞
若い奴らは朝まで騒いでいたらしい。いつもよりみんなのスタートが遅い。
フランス人の道で旧市街のアルベルゲに金曜日に泊まったことがある。ベッドの部屋の道路をはさんだ向かい側にバルがあり、住民が朝まで飲んで騒いでいたことを思い出した。スペインでは、週末の大騒ぎは通常で、巡礼者もいっしょに飲んで騒げばということなのだろう。カルラとデルクは骨休めのためにアウトドアの水遊びツアーに参加すると言っていた。長年貯めた有給休暇を有効に使うそうだ。それもいい!
それで、土曜日の朝はいつものように街中が寝静まっている。
でも、遍路はいつもの時間に宿を出て歩き始める。えらいなぁー!
今日一本目のモホンは「あと100㎞」。カミーノも残り少なくなってきた。
嬉しいような、寂しいような…。それでも今夜の宿にたどり着くためには、一歩前に!進むしかないのだ。
線路に並行して国道を歩く。四両編成の客車が通り過ぎる。この線路はサンティアゴに通じているのだ。線路を渡って次に石の橋を渡る。森の中に古びた教会があった。これはロビンフッドの撮影に使えるなぁ。ここはサン・アルベルトのチャペル。さっき渡った橋は古代ローマの橋の上に建てられたものだそうだ。
線路に並行して国道を歩く。四両編成の客車が通り過ぎる。この線路はサンティアゴに通じているのだ。線路を渡って次に石の橋を渡る。森の中に古びた教会があった。これはロビンフッドの撮影に使えるなぁ。ここはサン・アルベルトのチャペル。さっき渡った橋は古代ローマの橋の上に建てられたものだそうだ。
牧場に羊がいた。林業と酪農を含む農業の村が続く。スペインの食料自給率は8割だそうだ。日本は3割しかない。農業に力を入れない国は根本的にだめだと思うのだが、これからが心配ではないのだろうか。関空の近くの友達が「かぼちゃを空輸する際の木のコンテナをもらって廃材を利用している」と言っていた。日本はかぼちゃが空を飛んでくる国なのだ。その飛行機はガソリンで飛ぶ。イランに対してのアメリカの挑発が続いているが、石油が輸入できなくなったら米以外に食卓に並ぶものがあるのだろうか?
村に「スタンプを押してほしい人はどうぞ!」という看板があった。庭から入ると髭のおじさんが石を掘っている。丸い石板はアステカとかマヤ文明のような絵柄だった。挨拶をすると作業の手を止めてスタンプを押してくれた。詳しくいうとスタンプではなくクレデンシャルに赤い蝋を垂らし十字の印を押してくれた。後ろからもう一人巡礼者がきたのであまり話せなかったが、代わりにカメラのシャッターを押してもらった。これもお接待。なかなか渋い親父だった。
昼になったのでバルに入った。TVがついていて祭りを映しているのだが、それがどこかで見たような祭りなのだ。まず広場の真ん中に山のように薪を積み上げて火をつける。それがすっかり真っ赤な炭になったところで、山を崩して5mほどの火の川をこしらえる。そして、その火の川を神様に願い事をした人が裸足で渡るのである。日本で「○○の火渡り」というテレビのコマーシャルを見たことがある。同じものがスペインにあるのがビックリだった。日本のは密教というか山伏の装束の方たちがやっていた。ただ一つ違うのは、こちらは男性が恋人をおんぶして渡り切り、その後にプロポーズをするというのがあることだった。映像を見る限りすべての女性が「SI」(はい!)と答えていた。これは百中百発に違いない!
村に入るとすぐのところに新築のアルベルゲが建っていた。まだ時間が早いがここを過ぎると25キロ先まで宿がない。昨夜は寝たのが遅かったし、本日ここまで!!
宿のお姉さんに受付をしてもらう。食事も出るそうでそれをお願いする。
顔見知りのアメリカ青年とテラスで話をした。両親はメキシコからの移民で英語がまったく喋れない。それが自分は嫌で仕方がなかったが、スペインに来て両親のおかげでみんなとスペイン語でいろんな話ができた。今はとても親に感謝している。帰ったら一番に両親にそのことを伝えたいと語った。
いい話だね。みんないろんな思いをもってカミーノを歩いてるんだ。
カミーノはメキシコや南米から来た人が多く歩いている。フランシスコ教皇もアルゼンチンの方だ。たいてい母語はスペイン語だから、彼の感じたことは想像がつく。
泊まり客も少ないのでテラスの椅子を占領して本が読める。サンティアゴまであと5日。いよいよ最終ラウンドに入ってきた。平穏に何事もなくゴールしたいものだ。良い出会いがたくさんあった。
フランス人の道との合流点アルズアまであと3日。
ここから先は巡礼者の数が多くなり宿が混雑するという。
残りわずか!楽しんで歩こう!
今夜はワインを少しだけ。眠くなってきたぞ。ベッドが俺を呼んでいる。
おやすみー!あしたのこころだー!!
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