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2015年9月19日土曜日

国会前デモ 本多さん思って   棚橋正人

 今日未明、安全保障関連法が参院本会議で可決、成立しました。
 安全保障関連法に関わって、本研究会初代事務局長の棚橋正人さんが書いた文章が、9月10日の朝日新聞の「声」欄に掲載されましたので紹介します。



国会前デモ 本多さん思って
無職 棚橋正人    
(大阪府 63
旧日本陸軍兵士で、「戦争出前噺(ばなし)」と題して自身の戦争体験を語り、5年前に96歳で亡くなった本多立太郎(りゅうたろう)さんのお話を、何回か聞かせて頂いたことがある。私は元中学教員で、学校にも何度かお招きした。
1960年、本多さんは国会へ向かい、市民の一人として安保闘争に参加。デモに子をおぶった母親もいたとお聞きした。孫の寝顔を見て 「孫たちに軍服を着せたくない」 と思い、70歳過ぎから始めた出前噺は1300回を超えた。その本多さんが今の安全保障関連法案を知ったら何というだろうかと考えた。
そんな時、学生団体「SEALDs(シールズ)」の若者たちがデモを始めた。じっとしていられず、大阪での街頭アピールや、京都のデモに行き、830日は国会前へ。55年前の話のように、赤ちゃんをベビーカーに乗せた母親がいた。孫を連れたおじいちゃん、リクルートスーツの若者もいる。SEALDsのかけ声、 「民主主義って何だ?」 の答えはまさしくこれだ。自立した一人一人が自分の意思で立ち上がった。政府はこの事実を重く受け止めなければならない。 小雨の降る国会前でハットをかぶった本多さんを見かけた気がした。1300回の思いは次の世代に引き継がれたと思う。

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