711028 棚橋正人
6月5日(月)後半 サンセバスチャン(San Sebastian)~ オリオ(Orio)
2017年6月5日はこの地では「第二復活祭」なのだそうだ。前日の日曜日が復活祭(イースター)でその次の日も休みになる。地域によっては他の祭日と合わせて10日ほどの休みになるところもあるとか。なるほど、それで春のイベントがあちこちで行われていたのだ。昨日はトライアスロンとオリエンテーリングの大会があったのはそういうことなのかと合点する。
そろそろ昼飯時だ。スルーした美食の街、サンセバスチャンのカフェにはおしゃれな観光客が大勢いて、巡礼者には敷居が高かった。小さいスーパーがあったので飲み物と菓子パンを買う。
住宅街のはずれから牧場が広がる。海の青と草の緑が美しい。羊や牛がのんびり草を食べ、鶏は庭を自由に走り回っている。プラプラ歩いていると幼児を連れた家族連れのハイカーにまで追い抜かれた。のどかのどか!のんびり行こう!
函館にバスク料理を食べさせる店がある。その名も「バスク」という老舗のスペイン料理の店だ。この店を教えてくれたのは網走の「はぜや珈琲」という豆を仕入れに海外まで行くという店主だった。函館で「バル祭」というおもしろいイベントがあるから行きなさいと勧められたが、その時は自転車旅行だったので寄れなかった。後年、そこにバスク料理を食べに行き、「バスク」のご主人とも話した。バスクと函館は気候風土が似ており、海のものも乳製品も豊富だとか。若いころにサンセバスチャンのレストランで修行されたそうで、スペイン巡礼も歩いてみたいとおっしゃっていた。そのバスクを今、僕が歩いているのが不思議だし、なんだかうれしい。
海岸線を延々と歩く「北の道」はアップダウンが連続する。
高速道路の下をくぐったところで、地元民だという青年に話しかけられた。
今夜の宿はオリオのアルベルゲだというと「連れて行ってあげる」と言われた。ありがたい!彼は昨日、サンセバスチャンに遊びに行ってバスで帰ってきたそうだ。
話をしているうちに畑のただなかのアルベルゲ「ホスピタル
デ ペレグリーノス サン マリン」に到着!青年にお礼を言ってお見送り。やっと着いた!
先客がいっぱいいる。町まで食事に出かける気力もないので、宿に夕食と朝食をお願いした。ベッドは上の段しか空いてない。よっこらせ!ここが今夜のねぐらだ。
洗面所で「この水は飲めるか?」と聞く奴がいる。ちょうど喉が渇いていたので口に含んでみたがたぶんダメそうだ。この後しばらくしてから気持ち悪くなった。この水が悪かったのかもしれない。
やはり水は買うほうが安全なのだな!ここは日本ではなかった。めったな水は口に含むのもやめるほうがいいのだと思った。が、おそかった。
アルベルゲの庭に昼に出会った親子3人連れがいた。息子は中学生くらい。オーストラリアから「北の道」を歩きにきたそうだ。丸い眼鏡の奥さんが僕を覚えていてくれてご主人と3人で写真をパチリ。何でもないこんな出会いがとてもうれしい。
ピコピコピコ!ウルトラマンのエネルギーは消滅寸前!しかし、気持ち悪くて食事は食べられそうにない。オスピタレロに訳を話して早々に寝袋に潜り込む。なんて1日だ。明日には回復しているといいのだが…。
さて、ハポネ遍路の運命やいかに?
ともかく明日のこころだ!!
(つづく)
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