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2019年11月6日水曜日

2017年 スペイン巡礼 北の道 (7)


711028 棚橋正人

66日(火) オリオ(Orio) ~ スマイア(Zumaia) 17

  昨夜は夕食を抜いたが、吐いたら楽になって寝てしまった。
 
 食堂に用意された朝食はなんとか食べられた。宿の女将さんが気の毒がって、夕食代を返してくれた。英語は通じないが気持ちは通うものなのだなあ。
見知らぬ異国での親切は涙が出るほどありがたい。

今日は遅い出発だ。Zumaia(スマイア)までは17キロ。朝から雨だし、体調も万全ではないのでゆっくり行こう。
巡礼に杖は必需品である。遍路の体力は「フランス人の道」を歩いた5年前より確実に落ちている。それを補うのが2本のストックなのだ。二本足に比べて四本足は格段に強い。フラットの道でもけっこう推進力になる。今回はスライド式のをザックに入れてきた。
が、宿を出ていくらも行かないうちに巡礼路の脇で杖を売っているおじさんに遭遇。どうやら手作りらしい。値段も手ごろだ。「フランス人の道」でも売っていた、木で彫り物があるのもあったが、竹製が珍しい。竹の杖がスペインにあるとは思ってもみなかった!諸国を漫遊された水戸のご老公も、確か竹の杖で悪代官を成敗しておられた。これはやっぱり買わなくちゃ!

牧場を抜けてZarautz(サラウツ)の町に入る。海沿いの道に出るが相変わらず天気が良くない。海では大勢がサーフィンをしている。
 しばらく行くと石造りの砦のような建物があるGETARIA(ゲタリア)に入った。石の土台の上に船の先端にあるような女神の石像があった。町にはしゃれたレストランが何軒もあった。そこにすごい高級車が止まったと思ったら、超セレブのお姉さまが下りてきた。こんな場違いなところはすばやく通り抜けることに限ると、竹の杖を後ろについた。

後から調べたら、あの石像は、この地から出たファン・セバスチャン・エルカーノが、史上初の世界周航を達成したことを記念するモニュメントだった。
世界一周といえばマゼランだが、彼はフィリピンで戦死し、船団の指揮を引き継いでスペインに戻ってきたのは、バスク人のエルカーノだった。(それは立派な記念碑があるはずだわ!)
ちなみにこの地の名物は魚料理でそれに合う「チャコリ」という白ワインがこのゲタリアで作られているとか。あの高級車のセレブはそれを味わいに来たのだな。  

 今夜の宿は「ZUMAIAKO ATERPETXEA」で町のなかにある。5メートルはあろうかという高い壁で囲まれた教会の中。オスピタレロはちょっとこわそうなおじさんだった。
 部屋は二人部屋でアルベルゲでは最上級の待遇。ここはおそらく修道院の一部なのだろう。ガランとしてあまり人気がない。中庭で洗濯をして食事に出かける。今日は平和な一日だった。明日は晴れるかな。

(つづく)

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