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2019年11月18日月曜日

興福寺国宝特別公開2019


歴史ファンとか、仏像ファンだとかいう人たちがいます。私のような者は、仏像を見ても、「よぅ、わからん」というのが正直なところで、全国や世界各国から奈良へ、建造物や仏像を見にくる人たちがこの季節にたくさんいますが、ご苦労様ですという気持ちです。
  ただ、この私にも、わかりもせんのにフリをすることがたまにあります。仏像ファンのふりをして、南円堂、北円堂の仏像を見てきました。

  御詠歌に出てくる南円堂は、外からはよく眺めているのに中へ入ったことはありませんでした。当然、南円堂からの景色も見たことはなかったのですが、南西の方向、樹木の間から三重塔が見えるのがいい景色。中には本尊の不空羂索観音菩薩像、両手が三組(言い方を知らない、合計6本の手)。四方を固める四天王像、本尊の脇に三体ずつの法相六祖座像。本尊は鹿革を身にまとっているという説明ですが、鹿革がどれかよくわからないまま、出てしまいました。あきませんねぇ。四天王像の薄れかけた文様を見ていると、毎日開扉していたらすぐに消えてしまうなと思いました。だから普段は公開をしていないわけだ。
 この特別公開以上に人気があると思われたのは、御朱印です。最初、南円堂の特別公開はこんなに列ができるものなのかと思ったのですが、どうも様子が違う。南円堂へ入るのは行列の「ぎ」の字もできないのに、朱印をもらうための列は何十mかの長さがありました。この秋、にわかラグビーファンということばがちょいちょい聞こえましたが、朱印帳が若い人たちに流行っていると聞いてもう10年くらいになるでしょうか。息の長い流行のようです。もうにわか御朱印帳とは言えませんね。
その並びを横目で見ながら北円堂へ。北円堂は何年か前に入ったことがありますが、北円堂周辺が整備されて、すっきりした印象です。親子鹿と思われる3頭が近くで遊んでいます。外国からのお客様にはとてもうれしい景色のようです。
 北円堂は、南円堂よりも小さく色合いも地味ですが、こちらはお堂自身が国宝、南円堂は重要文化財。北円堂のほうがひとつ上のようです。本尊は弥勒如来像、脇を固める報苑林菩薩と大妙相菩薩。こちらの本尊は、南円堂のご本尊より古めかしいように見えます、実際には、20年ほどしか違わないのですが。それからこちらでも四天王が本尊を守っています。ほかに両手で箱を持っているのが無箸菩薩。箱を持っていない世親菩薩とで一組。箸と世親はインドに実在する兄弟の僧侶だったらしい。
  仏師には慶派と呼ばれるグループがあるんですって。南円堂の仏像は、その中の康慶という仏師作(たくさんの弟子もかかわったでしょう)、南円堂にある仏像は北円堂の仏像はその息子、運慶とその一門の仏師が大きくかかわっている。
拝観料は両方合わせて1000円です。記念品つきとチラシにも書かれていました。何をいただけるのかと思ったら、ビニール製の朱色の手提げ袋と、興福寺三島食品のコラボだという「ゆかり」(シソのふりかけ)でした。なんで「ゆかり」なんだろう。仏様と縁ができるようにということなんでしょうか。

(hill)

1 件のコメント:

  1. お腹がくちくなったら、眠り薬にどうぞ。
    歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。)

    読み通すには一頑張りが必要かも。
    読めば日本史の盲点に気付くでしょう。
    ネット小説も面白いです。

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